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現代史の証人・高杉一郎さん逝く 岩垂 弘 (ジャーナリスト) 「おい、高杉さんが亡くなったぞ」。1月9日午後11時過ぎ。朝日新聞での同僚だった白井久也氏(日露歴史研究センター代表)からの電話だった。私は、直ちに新聞社に電話し、その旨を伝えたが、電話をかけながら、私自身が「しまった。これで、現代史の証人ともいうべき人物にロングインタビューする機会を永遠に失ってしまった」という取り返しのつかない深い後悔の海に沈んでゆくのを感じていた。「高杉さん」とは、9日に99歳で亡くなった、作家であり、評論家であり、英文学者、翻訳家であった高杉一郎さんである。 高杉さんは本名小川五郎。静岡県中伊豆町(現伊豆市)生まれ。東京文理科大学英文科を卒業後、1933年に改造社に入社し、雑誌『文藝』の編集者を務めた。1944年の改造社解散直後に召集され、中国東北部(旧満州)のハルビンで敗戦を迎える。しかし、旧ソ連により4年間、シベリアに抑留され、帰国後、その体験をつづった 『極光のかげに』がベストセラーとなる。その後、静岡大学教授、和光大学教授を歴任。 その間、沢山の著作や翻訳書を著し、注目を浴びる。主著にシベリア抑留のことを書い
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